マークシートの自動採点 — OMRエンジンの進化
一括採点のOMR(光学マーク認識)エンジンが大きく進化しました。 マークの認識だけでなく、正解データと照合して自動採点するところまで 一括採点の中で完結できるようになりました。 共通テスト形式の楕円マークにも対応しています。
何が変わったのか
以前のバージョンでは、OMRの設定はJSONファイルとして管理されていました。 マークを認識することはできましたが、 正解データとの照合や採点結果の記録は手動で行う必要がありました。
今回のアップデートでは、OMRの設定がすべてデータベースで管理されるようになり、認識→正解照合→採点記録までを 一括採点の中で自動的に処理できるようになりました。
| 項目 | 以前 | 現在 |
|---|---|---|
| OMR設定の保存先 | JSONファイル | データベース |
| 正解データの管理 | 手動 | 採点領域ごとにDB管理 |
| 認識→採点 | 認識のみ | 認識→照合→採点記録まで自動 |
| マーク形状 | 円形 | 縦長楕円(共通テスト準拠) |
共通テスト形式のマーク
マークの形状が、円形から縦長の楕円に変更されました。 これは大学入学共通テストのマークシートと同じ形式です。 楕円の縦横比は幅に対して高さが1.6倍です。
ラベルのプリセットも充実しています。 数字(0〜9)、カタカナ(ア〜コ)、丸数字(①〜⑨)、 正誤(正/誤)、○×など、 よく使われるパターンがあらかじめ用意されています。 プリセットにないラベルは、カンマ区切りで自由に入力できます。
楕円内の塗りつぶし率が40%以上のマークを「選択された」と判定します。 消しゴムで消した跡(塗りつぶし率20%程度)は誤認識されない設計です。 塗りつぶしの濃さや閾値はテストケースで検証されています。
自動採点の流れ
OMR自動採点は、以下のステップで進みます。
- 解答用紙にOMR設定を登録する
解答用紙作成で、各設問のマーク形状・選択肢・正解を設定します。 この設定は試験に変換したときに、 各採点領域のOMR設定としてデータベースに保存されます。
- 答案をスキャンしてアップロードする
スキャンした答案画像をアップロードします。 コーナーマーカーが検出されると、 傾き補正が自動的に有効になります。
- 採点画面で「OMR認識」を実行する
採点画面のヘッダーにある「OMR認識」ボタンをクリックすると、 モーダルが開きます。 「OMR認識実行」を押すと、全生徒の答案が順番に処理されます。 進捗バーに処理済み枚数と生徒名が表示されます。
- 認識結果を確認する
処理が完了すると、正解・不正解・無回答・曖昧の件数が表示されます。 曖昧と判定された結果は自動採点から除外されるため、 誤った点数が記録される心配はありません。
- 採点結果を反映する
「採点結果を反映」ボタンを押すと、 認識結果がデータベースに書き込まれます。 そのあと、通常の採点画面で結果を確認・修正できます。
認識結果の見方
OMR認識の結果は、以下の5つに分類されます。
| 分類 | 意味 | 採点結果 |
|---|---|---|
| 正解 | 認識結果が正解と一致 | 配点の満点 |
| 不正解 | 認識結果が正解と不一致 | 0点 |
| 部分正解 | 複数の正解のうち一部が一致 | 配点を按分 |
| 無回答 | 何も選択されていない | 0点 |
| 曖昧 | 認識が不確実 | 反映されない(手動で確認) |
「曖昧」と判定された結果は自動採点の対象から除外されます。 通常の採点画面で該当の生徒・設問を手動で確認してください。
マーカー検出の改善
コーナーマーカー(答案用紙の四隅に印刷される小さな四角形)の検出アルゴリズムも改善されました。
以前の方式では、検出領域内で最も大きな黒い領域をマーカーとして採用していました。 しかし、罫線が密に引かれた答案用紙では、 罫線の連なりがマーカーよりも大きな領域として検出されてしまうことがありました。
新しい方式では、「正方形らしさ」を優先するスコアリングで マーカーを判定します。 正方形に近い形状が高くスコアリングされるため、 細長い罫線と四角いマーカーを確実に区別できるようになりました。
また、マーカーのデフォルト余白が3mmから6mmに変更されました。 プリンターの印刷不可領域(一般的に5mm程度)と重なって マーカーが欠けてしまう問題を防ぎます。
マーカー検出に失敗した場合は、 マーカー補正のトグルボタンにカーソルを合わせると、 各コーナーの検出状況と失敗理由が表示されます。 マーカーのサイズや余白を調整してみてください。
補正結果の可視化
答案のアップロード時に、マーカー補正の結果が各答案のセルに色で表示されるようになりました。
- 緑の枠線 — マーカー補正が成功した答案
- 赤の枠線 — マーカー補正が失敗した(またはスキップされた)答案
模範解答でマーカーが検出されると、 マーカー補正は自動的に有効になります。 以前はマーカーが検出されても手動でONにする必要がありましたが、 この手間が不要になりました。
OMR自動採点パイプラインにより、 マークシート式の問題は「解答用紙の設計→スキャン→自動採点→結果確認」 までを一括採点の中で完結できるようになりました。 共通テスト形式のマークにも対応し、 マーカー検出の精度も向上しています。
実際のユーザーテストで見つかった問題も順次修正しています。 OMR機能に関するフィードバックがありましたら、 GitHubのIssueでお知らせください。
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