満点は保存しない、点数は頭打ちしない — 成績算出の点数のあつかい
成績を計算するとき、一括採点は「満点」と「点数」をどう扱っているのでしょうか。 満点は元データから毎回計算し、点数は満点で頭打ちにしない—— 地味ですが、成績の正確さと柔軟さに関わる2つの見直しを行いました。 とくに、レポートを頑張った生徒に配点を超える点を付けて、 その超過分をテストに上乗せしたように成績へ反映できる、という使い方につながります。
満点は「保存」ではなく「その都度計算」
成績算出では、テストの点数やレポートの評価など、いろいろなデータを材料(データソース)にします。 その材料それぞれに「満点」があります。 これまで一括採点は、成績側にこの満点を書き写して保存していました。
ところが、元のテストの配点やレポートの満点をあとから直したとき、 成績側に書き写した満点は古いまま残ってしまいます。 気づかないうちに、成績の満点だけが実態とずれてしまう—— これは静かに起こるので、なかなか気づけません。
満点を紙にメモして貼っておくようなものです。 元の配点を直したとき、メモの貼り替えを忘れると古い数字が残ります。 そうではなく、必要になるたびに元の配点を見て計算すれば、貼り替え忘れは起きません。
そこで、満点を成績側に保存するのをやめ、必要になるたびに元データから計算する方式に変えました。 元の配点やレポートの満点を直せば、成績側の満点もつねに最新になります。 あわせて、満点を手で上書きする入力欄はなくしました (重み付けに使う換算満点は、これまでどおり自由に設定できます。 重み付けの考え方は換算満点の記事をご覧ください)。
点数を満点で頭打ちにしない
もう1つは、点数の上限・下限の扱いです。試験外成績資料(レポートや提出物などの成績)では、素点に加えて加減点を付けられます。 この加減点には上限がなく、配点を超える点や、0を下回る点も付けられます。
ところが以前は、成績算出のときに点数を「0点から満点まで」の範囲に収めていました。 そのため、せっかく配点を超えて付けた点が、満点で切り捨てられていたのです。 減点で0を下回った分も、0に切り上げられていました。
今回、この頭打ちをやめ、実際に入力した点数はそのまま成績算出に反映するように変えました。 配点を超えた分も、0を下回った分も、入力したとおりに効きます。
配点超えを許すと何が嬉しいか
テストの採点では、配点を超える点は必要ありません。10点満点の設問は10点までです。 では、なぜ配点超えを許すのでしょうか。ねらいは成績算出での使い方にあります。
たとえば、提出物やレポートをとても頑張った生徒がいるとします。 評価項目は20点満点だけれど、内容が飛び抜けて優れている。 こんなとき、あえて23点のように満点を超える点を付けられます。 すると、超えた3点分は成績の合計に上乗せされ、 まるでその3点をテストの点に加算したかのように成績へ反映されます。
レポートで満点以上の評価をした分が、そのまま成績の合計を押し上げます。 「テストは平均的だけれど、提出物の取り組みが素晴らしい」という生徒に、 その頑張りをボーナス点として成績に反映できます。 逆に、大幅な未提出などで0を下回る点を付ければ、成績を差し引くこともできます。
このように、配点超えや負の点を許すことで、 評価項目の満点という枠を超えて、先生の裁量で成績を調整できるようになりました。 頭打ちで消えていた「頑張りの分」や「差し引きたい分」が、 きちんと成績に届くようになっています。
推定値は満点の範囲に収める
ひとつだけ、例外があります。テストを欠席した生徒などの点数を、 ほかのデータから推定して補う場合です。 この推定値については、これまでどおり「0点から満点まで」の範囲に収めます。
配点を超えてよいのは、あくまで先生が実際に入力した点だけです。 機械が自動で計算する推定値まで満点を超えてしまうと、 意図しない高得点が生まれてしまうためです。 「実際に付けた点」と「推定で補った点」で扱いを分けることで、 頑張りの反映と、推定の安全性を両立しています (推定の仕組みは欠測推定の記事でくわしく解説しています)。
まとめ
成績算出での満点と点数の扱いを、より正確で柔軟なものに見直しました。
- 満点は保存せず元データから毎回計算し、つねに最新に保つ
- 実際に入力した点数は満点で頭打ちにせず、そのまま成績へ反映する
- レポート等に配点超えの点を付けると、超過分がボーナスとして成績に乗る
- 負の点で成績を差し引くこともできる
- 欠席などの推定値は、これまでどおり満点の範囲に収める
テストの点だけでは表しきれない頑張りを、成績に届けるための見直しです。
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