他のソフトウェアの設定を引き継ぐ — 外部フォーマットインポート
採点ソフトウェアには、さまざまな製品があります。 すでに他のソフトウェアをお使いの先生方が、 一括採点に設定データを引き継げるようになりました。 今回のアップデートでは、百問繚乱とリアテンダントの設定ファイルからの インポートに対応しています。
この機能は一括採点の開発者が独自に実装したものであり、 各ソフトウェアの開発元による公式の連携機能ではありません。 変換の精度には限界があり、利用にあたっては本記事の免責事項を必ずご確認ください。
ソフトウェアの相互運用性とは
異なるソフトウェア間でデータをやり取りできることを相互運用性(interoperability)と呼びます。 これはソフトウェアの世界では広く見られる考え方で、 さまざまな分野で実践されています。
| 分野 | ソフトウェアの例 | 相互運用の例 |
|---|---|---|
| 文書作成 | Microsoft Word、LibreOffice Writer など | .docx 形式の文書を互いに開いて編集できる |
| 表計算 | Microsoft Excel、Google スプレッドシート など | .xlsx 形式のファイルを互いに開ける |
| 画像編集 | Adobe Photoshop、GIMP など | .psd 形式のファイルをフリーソフトウェアでも読み込める |
| 3D・CAD | AutoCAD、FreeCAD など | DXF等の中間形式を介して設計データを共有できる |
| 音楽制作 | Logic Pro、Audacity など | WAV や MIDI 形式を介して楽曲データをやり取りできる |
採点ソフトウェアの世界でも、同じことが言えます。 「別のソフトウェアで作った設定を、他のソフトウェアでも使えたら便利なのに」。 これはごく自然な要望です。
採点枠の位置や配点を最初から設定し直すのは、大きな手間です。 すでに作成済みの設定データを活用できれば、 その手間を減らすことができます。
対応フォーマット
今回のアップデートで、以下の2つのフォーマットからのインポートに対応しました。
| ソフトウェア名 | 開発元 | 拡張子 |
|---|---|---|
| 百問繚乱 | 株式会社シンプルエデュケーション | .hsz |
| リアテンダント | 大日本印刷株式会社 | .dat |
百問繚乱は株式会社シンプルエデュケーションが開発・提供する採点支援ソフトウェアです。 リアテンダントは大日本印刷株式会社が開発・提供する採点支援システムです。 どちらも教育現場で広く使われており、多くの先生方が日々の採点に活用されています。
一括採点は、これらのソフトウェアの設定データを.score形式に変換してインポートする機能を実装しました。
何が引き継がれるのか
インポートの際に引き継がれるのは、主に以下のデータです。
| データ | 説明 |
|---|---|
| 採点枠の位置とサイズ | 答案上のどの領域を採点するかの座標情報 |
| 配点 | 各設問の満点 |
| 大問グループ | 大問1、大問2…のグループ分けと小計 |
| 観点グループ | 「知識・技能」「思考・判断・表現」等の観点別小計 |
| 模範解答画像 | 設定ファイルに含まれる解答画像 |
これらのデータを一括採点の内部形式に変換することで、 ゼロから設定し直す手間を大幅に減らせます。
変換の流れ
- ファイル選択ダイアログで .hsz または .dat ファイルを選択
- 免責事項を確認し、同意する
- 設定データが .score 形式に変換される
- 通常のインポートウィザードに引き継がれる
変換後は、通常のインポートウィザードと同じ流れで読み込みが進みます。 採点枠の位置や配点を確認・微調整したうえで、採点を始められます。
免責事項と商標について
この機能は、各ソフトウェアが出力したファイルの構造を独自に分析し、 一括採点の形式に変換するものです。 各社のソースコードや非公開の技術情報にはアクセスしていません。 変換はファイル内部に含まれるJSON、XML等の標準的なデータ形式を読み取ることで行っています。
変換の精度には限界があり、すべての設定が完全に再現されるわけではありません。変換結果の正確性について、開発者はいかなる保証も行いません。
- 本機能は現状有姿(AS IS)で提供され、 明示・黙示を問わずいかなる保証も行いません。
- 変換後のデータは必ず確認してください。 採点枠の位置や配点にずれが生じる可能性があります。 変換結果を確認せずに使用したことにより生じた不利益について、 開発者は責任を負いかねます。
- この機能は、各ソフトウェアの開発元による公式の連携機能ではありません。 一括採点の開発者が独自に実装したものであり、 各社の承認・推奨を受けたものではありません。
- 変換元ソフトウェアのバージョンアップにより、ファイル形式が変更された場合、 正常に変換できなくなる可能性があります。
インポート実行前には、アプリケーション内で免責事項を表示するモーダルが表示されます。 内容を確認し、同意のチェックボックスにチェックを入れることで、インポートに進めます。
- 「百問繚乱」は株式会社シンプルエデュケーションの製品名称です。
- 「リアテンダント」は大日本印刷株式会社の登録商標です。
- その他、記事中に記載されている会社名・製品名は、 各社の商標または登録商標です。
- 一括採点は、上記の企業とは一切の提携・協力関係にありません。 各社の製品名は、対応フォーマットを説明する目的で記載しています。
多様なソフトウェアが共存する教育現場へ
採点支援ソフトウェアの分野には、 商用ソフトウェアとフリーソフトウェアの両方が存在します。 それぞれが異なる強みを持ちながら、ともに進化を続けています。
商用ソフトウェアは、単なるソフトウェアの提供にとどまらず、 導入支援・研修・運用サポートを含むソリューションとしての価値を提供しています。 採点業務の効率化だけでなく、校務全体の支援や教育データの活用など、 教育現場を包括的に支える存在です。 また、大量の学習データの分析や生成AIとの連携、 外部サービスとの接続など、 高度なセキュリティへの配慮が求められる領域においても、 企業としての責任のもと、革新的な機能を生み出し続けています。
フリーソフトウェアは、ソースコードが公開され、 誰でも自由に利用・改良できるという特徴があります。 コミュニティの手で改善が積み重ねられ、 特定のニーズに柔軟に応えることができます。
大切なのは、どちらが優れているかではありません。それぞれの良さを活かしながら、ともに発展していくことが、教育現場の選択肢を広げることにつながります。
| 商用ソフトウェア | フリーソフトウェア | |
|---|---|---|
| 提供する価値 | ソリューションとしての包括的な支援 | 自由に使える・改良できるツール |
| サポート体制 | 企業による導入支援・研修・運用サポート | コミュニティベース |
| 先進的な取り組み | データ分析・AI連携・外部サービス接続等 | ソースコード公開による透明性と改良の蓄積 |
外部フォーマットインポート機能は、 先生方がすでにお持ちの設定データを活用できるようにするための機能です。 多様なソフトウェアが存在するなかで、 データの可搬性を高めることが、先生方の利便性につながると考えています。
各ソフトウェアを開発・提供されている企業の皆様には、 教育現場に優れたソリューションを届けてくださっていることに、深く敬意を表します。 先生方が採点業務に費やす時間を減らし、 生徒と向き合う時間を増やすという目標は、立場を超えて共通するものだと思います。
対応する外部フォーマットの設定データを 一括採点にインポートできるようになりました。 採点枠の位置、配点、大問・観点の小計グループが引き継がれます。
商用ソフトウェアとフリーソフトウェアがともに発展し、 先生方が自分に合ったツールを自由に選べる環境が広がることを願っています。
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- インポートウィザードの仕組みについては、「IDの異なる別のパソコンの生徒を同じ生徒として扱うには」をご覧ください。
- 一括採点がオープンソースである理由については、「なぜオープンソースなのか、AGPLv3とは」をご覧ください。